
着物で楽しむ京都のひな祭り|人形の寺・流し雛・和菓子と梅の早春さんぽ
3月3日のひな祭りを着物で過ごす京都ガイド。人形の寺・宝鏡寺の雛人形展、下鴨神社の流し雛、ひなあられなどの和菓子、梅の季節の散策コースをご紹介します。
2026年9月14日·✍️ olablog·⏱ 15 分で読める
3月3日のひな祭りを着物で過ごす京都ガイド。人形の寺・宝鏡寺の雛人形展、下鴨神社の流し雛、ひなあられなどの和菓子、梅の季節の散策コースをご紹介します。
毎年3月3日は、女の子の健やかな成長を願う「雛祭り(Hina Matsuri)」、いわゆる桃の節句です。女の子のいるご家庭では、平安装束をまとったお内裏様とお雛様に、三人官女や五人囃子、そして小さな漆塗りの調度品までをそろえた段飾りを設え、桃色・白・緑の三色のお菓子をいただきます。雛人形がもともと作られ、人形が写し取った宮廷そのものがかつて置かれていた京都では、3月の第1週になると寺院で人形展が開かれ、神社では梅がほころび、その年はじめての穏やかな日が訪れます。桜の混雑が始まる前に着物で街を歩くには、まさにうってつけの時期といえるでしょう。東京からなら東海道新幹線「のぞみ」で約2時間15分ほどなので、週末を使った日帰りや一泊旅行でも十分に楽しめます。
ひな祭りとはどんな日?
雛人形の起源は、平安時代の紙の人形(ひとがた)にさかのぼります。体をなでて災いを移し、川へ流して厄を祓うものでした。何世紀もの時を経て、紙の人形は胡粉塗りの白い顔をもつ豪華な人形へと姿を変え、緋毛氈を敷いたひな壇に飾られるようになりました。一方で、人形を流す習わしは「流し雛」の神事として今も受け継がれています。雛人形は2月中旬ごろに飾り始め、3月3日を過ぎたら早めに片付けないと娘の婚期が遅れる、という言い伝えがあります。なお、京都の伝統的な「京雛」では、向かって右にお内裏様(男雛)、左にお雛様(女雛)を飾るのが古くからの並びで、関東などで一般的な配置とは左右が逆になっています。京都で人形を見比べる際にはぜひ注目してみてください。
ひな祭りならではの食べ物も決まっています。パステルカラーのあられ菓子ひなあられ、桃色・白・緑の三層を菱形に重ねたお餅菱餅、錦糸卵や海老を散らしたちらし寿司、はまぐりのお吸い物、そして甘くほとんどアルコールを含まない米の飲み物白酒または甘酒です。
京都で雛人形を見られる場所
| 場所 | 見どころ | 時期(毎年) |
|---|---|---|
| 宝鏡寺(Hōkyō-ji)、通称「人形寺」(上京区) | 皇室ゆかりの旧門跡尼寺。皇室から贈られた歴史ある雛人形を春の人形展で公開 | おおむね3月1日〜4月上旬 |
| 下鴨神社(Shimogamo Shrine) | 流し雛:平安装束の男女や子どもたちが、桟俵にのせた紙雛を御手洗川へ流す神事 | 3月3日 午前 |
| 市比賣神社(Ichihime Shrine)、河原町五条近く | 女性の願いを守る神社。ひな祭りの祭典と、宮廷装束の女性による「生き雛」の披露 | 3月3日 |
| 京都の百貨店と錦市場(Nishiki Market) | 2月中旬から季節の和菓子や小ぶりの雛人形が店頭に並ぶ | 2月下旬〜3月3日 |
| 二条城(Nijo Castle)と京都御苑(Kyoto Imperial Palace grounds) | 咲きそろう梅の花。季節感あふれる背景に | 2月下旬〜3月中旬 |
なかでも見逃せないのが宝鏡寺です。数百年の歴史をもつ人形が並び、尼寺の庭は静けさに包まれ、展示はフラッシュを使わなければ撮影が許可されていることが多いようです。訪れるなら午前中がおすすめ。3月3日の昼過ぎには小さな部屋がすぐに人でいっぱいになり、混み合った人形の間で着物姿でいるのは、ご自身にとっても人形にとっても気がかりなことになりかねません。
時間に余裕があれば、小さな立ち寄り先を2か所加えるのもよいでしょう。岡崎にある京都伝統産業ミュージアム(Kyoto Museum of Traditional Crafts)では、人形の顔や衣装がどのように作られるかを解説する季節の人形コーナーが設けられることが多く、また丸太町通より北の寺町通(Teramachi-dori)に軒を連ねる店々では、京都の職人が手がけた小さな雛人形が売られています。本格的な段飾りに比べ、ずっと気軽に持ち帰ることができます。
京都の3月上旬に合う着物
3月の第1週の京都は気温6〜13℃ほどで、晴れやかながら天気が変わりやすい時期です。袷(あわせ)の着物に羽織かショールを合わせるのがちょうどよいでしょう。楽しいのは色選びです。この日の色合いは桃色・白・淡い緑、梅の花は白と濃い紅。クリーム色や淡い桃色の小紋着(OlaChill京都清水店で5,500円)に、緑や梅色の帯を合わせれば、まさに季節にぴったりの装いになります。お嬢さまには、子ども用の小物一式がそろった女の子用着物セットが8,000円。この日にふさわしい小さな花飾りをつけるなら、DECO髪飾りつけ放題(1,100円)を追加するのがおすすめです。
ヘアセット(1,500円)は、夏よりもむしろ3月にこそ重要です。下鴨神社周辺の川辺に吹く風は、ゆるくまとめただけの髪を数分で崩してしまいます。
当日のモデルプラン(3月3日)
- 09:00 清水店で着付けとヘアセット。荷物は無料ロッカーへ。
- 09:45 京阪電車で清水五条駅(Kiyomizu-Gojo Station)から出町柳駅(Demachiyanagi Station)へ(約9分)。糺の森(Tadasu-no-mori)を10分ほど歩いて下鴨神社へ。京阪電車ではICOCAやSuicaなどの交通系ICカードが使えるので、着物姿でも切符を買う手間がかかりません。
- 10:30 御手洗川で流し雛の神事。川岸は狭いので早めに到着を。
- 11:30 今出川通(Imadegawa-dori)を西へ徒歩約20分、またはタクシーで宝鏡寺へ移動し、人形展を見学。
- 12:45 昼食。この週はどのお店のメニューにもちらし寿司が並びます。同志社大学(Doshisha University)周辺には、手頃でおいしいお店がそろっています。
- 14:00 梅の花めぐり。バスで西へ15分の北野天満宮(Kitano Tenmangu)は、梅苑が3月上旬に見頃を迎えます。あるいは南へ戻り、無料で梅林を楽しめる京都御苑を散策するのもよいでしょう。
- 16:00 東山方面へ戻ります。和菓子店でひなあられと菓子折りを買い、18:00までに着物を返却。
お嬢さまとご一緒の場合は、一日の予定を短めにしましょう。午前中に下鴨神社、昼食、そして人形展をひとつ見るだけで、着物で過ごす4時間には十分な内容です。
静かに過ごしたい方へ:三年坂と和菓子めぐり
東山周辺でゆっくり過ごしたい方には、清水寺(Kiyomizu-dera)の下に広がる路地がおすすめです。この週はどの和菓子店でも菱餅やひなあられが販売されており、3月上旬は桜の季節を前にした最後の静かな時期でもあります。三年坂(Sannenzaka)と二年坂(Ninenzaka)を歩き、八坂の塔(Yasaka Pagoda)で写真を撮り、茶屋で甘酒をいただく。そんなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。ルートは京都 着物フォトスポットマップで詳しくご紹介しています。
持ち物チェックリスト
- 羽織またはショール(お店にご相談ください。寒い日は1枚お貸しします)
- 襟ぐりの深い保温インナー、レギンス、厚手の足袋
- 人形寺の拝観料やお菓子代のための現金
- 容量に余裕のある小型カメラやスマートフォン(展示はぜひ近くで撮影を)
- お嬢さま連れの場合:おやつ、着替え、下鴨神社までの道のりに使うベビーカー
よくある質問
ひな祭りは祝日ですか? いいえ、祝日ではありません。お店も寺院も会社も通常どおり営業しているため、旅行者にとってはかえって気軽に楽しめる日になっています。
男の子や男性も参加できますか? もちろんです。ひな祭りは女の子をお祝いする日ですが、人形展もお菓子も梅の花も、どなたでも楽しめます。男の子には、5月5日にこいのぼりを揚げてお祝いする「こどもの日」があります。
3月上旬に着物では寒すぎませんか? 下に重ね着をして羽織を持っていけば大丈夫です。むしろ気をつけたいのは雨の日。お店では傘を無料でお貸ししていますし、そのほかの対策は雨の日の着物ガイドにまとめています。
雛人形のセットを買って持ち帰れますか? 京都の工芸品店や百貨店では、小ぶりのセットや一体ずつの人形が販売されています。本格的な段飾りは大きく高価で壊れやすいため、多くの方は小さな一対の人形や、つるし飾りの「つるし雛」を選ばれています。
桜はいつ頃から咲きますか? 京都では例年3月下旬、ひな祭りのおよそ3週間後です。季節ごとの違いは着物を着るのにおすすめの季節ガイドで比較しています。
ひな祭りの着物を予約する
3月の第1週に向けて、小紋着と、お嬢さまがいらっしゃる場合は女の子用着物セットを京都清水店でご予約ください。スタイルや料金は着物レンタルページでご覧いただけます。



